ストレス解消や気分転換を目的にお酒を飲むように、運動後やトレーニング後にお酒を飲むという方もいるでしょう。
しかし、アルコールを摂取すると筋トレによくない影響を及ぼし、せっかくの筋トレの効果が台無しになる恐れもあります。
今回は、そんなお酒が筋トレに与える様々な悪影響や、筋トレ効果を妨げないお酒の正しい飲み方などを解説します。
Contents
アルコールが筋トレに与える5つの悪影響
①筋肉が分解されやすくなる
筋肉はトレーニングによって筋繊維が破壊され、筋トレ後に再合成することで、以前よりも大きく強くなります。
しかし、お酒を飲むとストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール」という筋肉の分解を促すホルモンが多く分泌され、これによって筋肉量が減少してしまう恐れがあるのです。
コルチゾールは適量であれば、筋肉の炎症の緩和や血糖値の維持などに役立ちますが、お酒を飲み過ぎてコルチゾールが大量に分泌されると、タンパク質を分解して筋肉の成長が妨げられるので、筋トレ期間中はお酒を飲む量を抑えるのがよいでしょう。
②体脂肪がつきやすくなる
アルコールのカロリーは1gあたり約7kcalであり、日本酒や焼酎などのアルコール度数が高いお酒ほど、同じ量に対してのカロリーが高くなります。
お酒100mlに含まれるカロリー【種類別】
・ビール4~5%・・・約40kcal
・ワイン12%・・・約75kcal
・日本酒15%・・・約100kcal
・焼酎25%・・・約140kcal
・ウイスキー40%・・・約240kcal
しかし、発泡酒やビールなどアルコール度数が低くても飲みやすいお酒は、ついつい飲む量が増えるので、結果的にたくさんのカロリーや糖質を取ってしまいがちです。
加えて、塩分が多く含まれるおつまみや食事なども一緒に食べると、摂取カロリーはより多くなります。
このように摂取カロリーが増えると体脂肪がつきやすくなるので、トレーニングの効果が台無しになるだけでなく、肥満の原因ともなります。
③テストステロンの分泌量が減少する
テストステロンは男性ホルモンの一つであり、筋肉や骨格の発達を促進する働きがあります。
しかし、お酒を飲むとテストステロンの分泌量が減少するため、筋肉が発達しにくくなります。また、テストステロンの減少は
など様々なデメリットが生じるので、日常生活ではお酒を飲み過ぎるのは避けた上で、良質な睡眠や十分なタンパク質の摂取などを心がけることが大切です。
④脱水症状を引き起こす
アルコールを摂取すると、利尿作用によって体の中の水分がどんどん失われます。また、アルコールを分解するときにも体の多くの水分が使用されます。
水分は筋肉の発達をサポートするだけでなく、筋力を発揮する際にも欠かせないものであるため、脱水症状のまま筋トレを行うとパフォーマンスが低下したり、怪我をするリスクがより高まります。
普段からお酒を飲んでいる人は脱水症状になりやすい傾向があるので、筋トレのパフォーマンスを維持するためにも、筋トレ期間中はなるべくアルコールを飲まないのが理想です。
⑤睡眠の質が低下する
お酒を飲むと確かに寝つきは良くなりますが、アセトアルデヒドという物質が睡眠のサイクルを乱すことで、眠りが浅くなってしまいます。
睡眠中は成長ホルモンが分泌され、このホルモンによりトレーニングで疲労した肉体や筋肉が回復され、以前よりも強く逞しくなるのです。
しかし、睡眠の質が低下すると成長ホルモンの分泌量が減少するため、筋肉を十分に回復させることができず、筋肉がなかなか発達しないという恐れが出てきます。睡眠の質を高めてぐっすり寝るためにも、
などの対策に取り組み、筋肥大に繋がる良質な睡眠をとるように意識してみてください。
筋トレ期間中のお酒の正しい飲み方
アルコールは筋トレに悪影響を与えることをお伝えしましたが、一切飲まないというのはできない方もいるでしょう。
ここでは、なるべく筋肉に影響のないお酒の飲み方について紹介します。以下のポイントを参考にしてみてください。
糖質の少ないお酒を選ぶ
どうしてもアルコールを飲みたい場合は、糖質の少ない蒸留酒を選びましょう。代表的なものが、ウイスキーやウォッカ、ジン、焼酎などです。
特に焼酎は糖質がゼロであり、他のお酒よりもカロリーがかなり低いので、蒸留酒の中では焼酎がベストです。
ウイスキーを炭酸で割ってハイボールにして飲むのもおすすめです。一方で、ビールやワイン、日本酒などの醸造酒は糖質を多く含んでいます。
ウイスキーや焼酎は糖質がゼロですが、ビールは1缶飲むと10gほどの糖質を摂ることになり、脂肪の蓄積にも繋がるので、糖質の多い醸造酒は飲むのは控えましょう。ビールが飲みたい場合は、糖質オフ・ゼロのものにするのがよいでしょう。
筋トレ後はお酒を飲まない
筋トレの直後は筋肉が合成される時間であるため、ここでアルコールを飲むと筋合成が妨げられ、筋肉が成長しにくくなります。筋トレ後は
などの食品を摂るようにして、お酒は飲まないように注意しましょう。
一緒に食べる食事に気をつける
お酒と一緒に食べるものは、焼き鳥や刺身、冷奴、枝豆、サラダなどのタンパク質やビタミンを多く含むものを選びましょう。
糖質や脂質の多いものをアルコールと一緒に食べると、摂取カロリーが大幅に増えるため、体脂肪や内臓脂肪がつきやすくなってしまいます。
また、食事の間に水分をこまめに摂るとアルコールが分解されやすくなり、体への負担も減らすことができるので、試してみてください。
チートデイを設ける
お酒は我慢できるけれど、それでもたまには飲みたいという方は、チートデイを設けるのがおすすめです。
チートデイとは1~2週間のうちの1日だけ、好きなものを好きなだけ食べられるという、いわゆる「ご褒美の日」でもあります。
お酒が好きな人が禁酒を続けていると精神的にストレスがかかり、この状態では筋トレに集中できなくなったり、途中で挫折してしまう恐れもあります。ストレスを解消して筋トレの意欲を高めるためにも、1日だけお酒を飲んでもよい日を設けるのです。
ただし、お酒をたくさん飲む場合は体に負担がかかるので、チートデイ当日とその翌日は筋トレに取り組まないようにしましょう。
筋トレ前のアルコールは絶対にNGである理由
筋トレ後のお酒は正しい飲み方であれば問題ありませんが、筋トレ前に飲むのはNGとされています。
最後に、筋トレ前のアルコールが絶対にNGである理由を紹介します。なぜダメなのか確認しておきましょう。
トレーニングの意味がなくなる
冒頭でも述べましたが、アルコールを摂取するとコルチゾールの分泌量が増加する一方で、テストステロンの分泌量は減少します。
そのため、激しいトレーニングをしても筋肉が分解されることになるので、筋トレを行う意味がなくなってしまいます。
怪我をするリスクが高まる
お酒を飲むと酔っ払った状態になりますが、この状態で筋トレを行うと間違ったフォームになり、筋肉や関節に余計な負担がかかります。
また、ダンベルやバーベルなどをうっかり落としてしまい、怪我をするリスクも高まります。アルコールは血行促進作用があるので、高血圧になったり、怪我をすると悪化しやすく、治りも遅くなります。
お酒を飲み気分を高めた状態で筋トレをしたいという気持ちも分かりますが、大怪我に繋がる危険性がありますので、筋トレ前にアルコールを飲むのはやめましょう。
筋トレ中はアルコールと正しい付き合いをしよう
今回は、アルコールが筋トレに与える悪影響について解説しました。
アルコールは筋トレにほとんどメリットはありませんが、筋肉に支障をきたさない飲み方をしていれば特に問題はありません。
お酒はストレスの解消や気分の向上などが期待できるので、自分なりに工夫してお酒との付き合い方を決めてみてください。
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