カッコいい身体に欠かせないのが腕の筋肉であり、腕が発達しているだけでも体の見栄えが変わります。
腕のトレーニングは何十種類も存在しており、上腕や前腕をバランスよく鍛えることで、逞しい腕を手に入れることが可能です。
今回は、腕の筋肉を太くできる筋トレメニューやトレーニングにおけるポイントについて詳しく解説します。
Contents
腕を構成する3つの筋肉
腕は上腕二頭筋、上腕三頭筋、前腕筋群という3つの筋肉で構成されています。
まず初めに、腕を構成しているそれぞれの筋肉の特徴や機能について紹介します。
上腕二頭筋
肘を曲げて拳を握りしめたとき、力こぶができる部分が上腕二頭筋です。
上腕二頭筋は長頭・短頭という2頭で構成されており、肘を曲げたり、物を持ち上げる動作で使われています。
自重トレーニングではかなり鍛えにくい部位であるので、ダンベルを使った筋トレを行うのがおすすめです。
上腕三頭筋
上腕三頭筋は肘を伸ばしたときに、腕の後ろ側に浮き出てくる筋肉であり、上腕二頭筋のちょうど裏側に位置しています。
肘を伸ばしたり、何かを押したり投げたりする動作で使われており、大胸筋や三角筋のトレーニングのサポート役としても働きます。
腕の筋肉の3分の2を占めるほど大きいので、腕を効率よく太くしたい方は、上腕三頭筋を優先して鍛えるのがよいでしょう。
また、自重トレーニングでも負荷をかけやすく、太くなりやすい筋肉でもあるので、筋トレのモチベーションを維持しやすいです。
前腕筋群
前腕筋群は肘から手首にかけて存在している20種類ほどの筋肉から構成されている筋肉群のことです。
主に肘や手首を曲げたり、握力を発揮させるなどの働きがあり、見えやすく目立つ部分であるので、前腕筋を鍛えるだけでも逞しい印象を与えることができるでしょう。
また、前腕筋は一つ一つは全く異なる筋肉ですが、基本的にはまとめて鍛えることが可能であるので、部位に分けてトレーニングを行う必要がありません。
トレーニング自体は地味なものが多いですが、前腕をしっかり鍛えることで
など様々なメリットがあるため、腕のトレーニングに取り組むときは二頭筋や三頭筋だけでなく、前腕筋群もバランスよく鍛えることが大切です。
腕を効率よく鍛えるための3つのポイント
ただがむしゃらに腕の筋トレを行っても、やり方が間違っていればトレーニング効果が半減してしまします。
腕のトレーニングを行うときは、効率的に腕を鍛えるためにも、以下の3つのポイントを意識してみてください。
徹底して追い込む
腕の筋肉は日常生活において使われる頻度が多いので、少し重いくらいの重量では効かせにくい部位です。
筋肥大のトレーニングでは6~10回で限界がくる重量を扱うのが一般的ですが、腕の筋肉は遅筋繊維が多く含まれているので、なるべく高回数で取り組みましょう。
大筋群のトレーニング後に行う
腕の筋肉はベンチプレスやショルダープレス、デッドリフトなど、大筋群のトレーニングにおいて補助として働きます。
そのため、これらのトレーニングの前に腕の筋トレを行うと腕が疲弊してしまい、大筋群のトレーニングのパフォーマンスが落ちてしまう恐れがあります。
大胸筋や三角筋のトレーニング後に上腕三頭筋を、背筋のトレーニング後に上腕二頭筋を鍛えることで、筋肉を効率よく追い込むことができるでしょう。
二頭筋と三頭筋で扱う重量を変える
トレーニング種目にもよりますが、上腕二頭筋と上腕三頭筋は筋肉の大きさが異なるため、それぞれで扱える重量が変わります。
例えば、ダンベルキックバックで15㎏を簡単に扱えたけれど、同じ重量でダンベルカールをしようとすると、持ち上げられないという場合があります。
そのため、どちらも腕の筋肉だからという理由で同じ重量を扱うのではなく、二頭筋と三頭筋それぞれに合った重量を使うことで、効率のよいトレーニングを行えるでしょう。
上腕二頭筋を鍛える筋トレメニュー
まずは、上腕二頭筋を効果的に鍛えられる筋トレメニューを紹介します。
トレーニングにおけるポイントも解説しているので、確認してみてください。
①逆手懸垂
懸垂は順手でバーを握って行うことで背筋を鍛えるトレーニングですが、逆手で握ることで上腕二頭筋をメインに鍛えることができます。
広背筋にも負荷をかけられるので、上腕二頭筋を鍛えつつ、背筋も同時に鍛えたいという方におすすめです。
✓ポイント
・反動をなるべく使わない
・体を下ろしきらない
・肩甲骨をしっかり寄せる
✓セットの組み方
8~12回を1セットとする
3~4セットを目安に行う
インターバルを1分ほどとる
②ダンベルカール
ダンベルカールは上腕二頭筋を鍛える代表的なトレーニングであり、ほとんどの人がメニューに取り入れているほど人気がある種目です。
ダンベルを上げて下ろすというシンプルな動作で行えるので、筋トレを始めたばかりの初心者でも取り組みやすいです。
①肩幅くらいに両足を開いて立つ
②両手にダンベルを握る
③背中は真っすぐ伸ばし、顔は正面に向ける
④上腕を動かさないように、肘を曲げてダンベルを持ち上げる
⑤肩の高さまで上げたら、元の位置までダンベルを下ろす
✓ポイント
・肩や肘を動かさない
・下ろすときに力を抜かない
・腕をしっかり伸ばす
✓セットの組み方
1セット目→中重量で20回以上行う
2~3セット目→10~15回で限界がくる重量で行う
インターバルを1分ほどとる
③インクラインダンベルカール
斜めに角度をつけたベンチでダンベルカールを行うのが、インクラインダンベルカールという種目です。
上腕二頭筋の可動域がかなり広がるため、通常のダンベルカールよりも上腕二頭筋を高負荷で鍛えることができます。
①ベンチの角度を45度に調整する
②ベンチに座り、ダンベルを両手に握って腕を下ろす
③肘を動かさないように、ダンベルを持ち上げる
④胸元あたりまで上げたら、ダンベルを下ろす
✓ポイント
・小指側から上げる
・胸を軽く張るようにする
・肘と肩を固定する
✓セットの組み方
1セット目→中重量で20回以上行う
2~3セット目→10~15回で限界がくる重量で行う
インターバルを1分ほどとる
>>インクラインダンベルカールの効果的なやり方
④コンセントレーションカール
コンセントレーションカールは肘を膝に当てた状態で、ダンベルを上げるトレーニング方法です。
片側のみで動作を行うため、ダンベルカールよりも上腕二頭筋により効かせやすいという特徴があります。
①ベンチに座り、少し前傾になって下を向く
②片手にダンベルを握り、太ももの内側あたりに肘を固定する
③肘を曲げて、ダンベルを持ちあげる
④肘を伸ばし、元の位置までダンベルを下ろす
⑤反対側も同様に行い、これを1セットとする
✓ポイント
・反対側の手は膝に置く
・上げたときに手首を少し巻き込む
・上腕二頭筋の力だけを使う
✓セットの組み方
1セット目→中重量で20回以上行う
2~3セット目→10~15回で限界がくる重量で行う
インターバルを1分30秒ほどとる
⑤ケーブルカール
ケーブルカールはケーブルマシンを使い、ケーブルを引く動作を通して上腕二頭筋を鍛える種目です。
ケーブルの特性により、絶え間なく上腕二頭筋に負荷がかかり続けるので、集中して追い込むことができます。
①滑車を一番下に調整し、アタッチメントを取り付ける
②肩幅ほどの手幅でバーを握り、体の前で構える
③肘を曲げて、顎の下あたりまでバーを持ち上げる
④肘を伸ばし、元の位置までバーを下ろす
✓ポイント
・脇を締めて肘を体につける
・ケーブルの張力に逆らうように動かす
・上半身を反らさない
✓セットの組み方
1セット目→中重量で20回以上行う
2~3セット目→10~15回で限界がくる重量で行う
インターバルを1分ほどとる
上腕三頭筋を鍛える筋トレメニュー
⑥ナロープッシュアップ
手幅を狭めた状態で腕立て伏せを行なうのが、ナロープッシュアップという種目です。
手幅を狭くすることで上腕三頭筋への負荷を高めることができるので、自宅で気軽に腕を鍛えたい人におすすめです。
①両手を床につけて、肩幅よりも狭めに手幅をとる
②腕立て伏せの姿勢をとり、体を真っすぐキープする
③肘を曲げて、胸が床につく直前まで上体を下ろす
④肘を伸ばし、元の位置まで上体を起こす
✓ポイント
・お尻を浮かさない
・肘を開かない
・お腹に力を入れる
✓セットの組み方
15~20回を1セットとする
3~5セットを目安に行う
インターバルを30秒ほどとる
⑦リバースプッシュアップ
通常の腕立て伏せとは逆向きで行うのがリバースプッシュアップであり、全体重のほとんどを支えるので、腕にかかる負荷が自重トレーニングの中でもトップクラスです。
床でも行えますが、ベンチや椅子などを使えば、より強い負荷を上腕三頭筋にかけることができます。
①ベンチや椅子に背中を向けて、その上に両手を乗せる
②両足を前方に伸ばし、背中を真っすぐ保つ
③肘を曲げて、上体をできるだけ深く下ろす
④肘を伸ばし、元の位置まて上体を起こす
✓ポイント
・肘が90度になるまで下ろす
・常に目線は正面に向ける
・背中を反らさない
✓セットの組み方
15~20回を1セットとする
3~5セットを目安に行う
インターバルを30秒ほどとる
⑧ダンベルキックバック
ダンベルキックバックは肘を固定して腕を前後に動かすことで、上腕三頭筋を鍛えるトレーニングです。
ベンチに片手をつくことで体の動きが抑えられるので、上腕三頭筋にピンポイントで刺激を与えることができます。
①ダンベルを片手に握り、反対側の手はベンチの上におく
②肘は体に対して垂直に曲げて、二の腕は床と平行になるように調整する
③背中を真っすぐ保つ
④肘は固定したまま、肘から先のみを後ろに伸ばす
⑤元の位置まで戻す
⑥反対側も同様に行い、これを1セットとする
✓ポイント
・途中で背中を丸めない
・肘を動かさない
・弧を描くようにダンベルを上げる
✓セットの組み方
1セット目→中重量で20回以上行う
2~3セット目→10~15回で限界がくる重量で行う
インターバルを1分30秒ほどとる
⑨ダンベルフレンチプレス
フレンチプレスはダンベルを頭の後ろで上下させることで、上腕三頭筋を集中して鍛えられるトレーニング方法です。
ベンチを使うのが一般的ですが、用意できない場合は立ったまま取り組むこともできます。
①ベンチに座り、手の平が上に向くようにダンベルを握る
②肘を伸ばして、頭の真上で構える
③肘を曲げて、ダンベルを体の後ろ側で下ろす
④上腕を動かさないように、ダンベルを真上に持ち上げる
✓ポイント
・ダンベルは沿えるように握る
・体や上腕を動かさない
・腰を反らさない
✓セットの組み方
1セット目→中重量で20回以上行う
2~3セット目→10~15回で限界がくる重量で行う
インターバルを1分ほどとる
⑩ナローベンチプレス
ナローベンチプレスは手幅を狭くしたベンチプレスのことであり、強烈な刺激を上腕三頭筋に与えることができます。
重すぎる重量を使うと手首を痛めてしまうので、通常のベンチプレスよりも軽い重量で行いましょう。
①ベンチに仰向けに寝転がり、肩幅よりも狭い手幅でバーを握る
②バーベルをラックから外し、腕を伸ばして構える
③肘を曲げて、胸に当たる直前までバーを下ろす
④同じ軌道をたどり、バーベルを元の位置まで持ち上げる
✓ポイント
・八の字でバーを握る
・バーベルは素早く上げる
・頭を動かさない
✓セットの組み方
1セット目→中重量で20回以上行う
2~3セット目→8~12回で限界がくる重量で行う
インターバルを1分30秒ほどとる
⑪トライセプスプッシュダウン
トライセプスプッシュダウンはケーブルマシンを使い、ケーブルを下方向に引っ張る動作を繰り返します。
動作がシンプルでありながら上腕三頭筋に効かせやすいので、初心者の方でもメニューに取り入るべきトレーニングです。
①ケーブルマシンの上部に滑車をセットして、アタッチメントを取り付ける
②バーを握り、体の前で構える
③肘を動かさないように、バーを下方向に引っ張る
④肘を伸ばし、元の位置までバーを戻す
✓ポイント
・脇を締めて肘を固定する
・無理な重量を扱わない
・背中を真っすぐ保つ
✓セットの組み方
1セット目→中重量で20回以上行う
2~3セット目→10~15回で限界がくる重量で行う
インターバルを1分ほどとる
前腕筋群を鍛える筋トレメニュー
⑫リストカール
リストカールは手首だけを動かし、ダンベルを上げ下げするトレーニング方法です。
手のひら側にある前腕を鍛えることができ、より高負荷で鍛えたい場合は、バーベルで行うのがおすすめです。
①ベンチの上に腕をおく
②手のひらが上になるように、ダンベルを両手に握る
③手首だけを動かし、ダンベルを体の内側に向かって持ち上げる
④限界まで上げたら、元の位置まで下ろす
✓ポイント
・ダンベルを強く握らない
・手首以外を使わない
・ゆっくりな動作を意識する
✓セットの組み方
15~20回を1セットとする
3~5セットを目安に行う
インターバルを1分ほどとる
⑬ラジアルフレクション
ラジアルフレクションはダンベルなどの端を握り、手首を使って上下させるトレーニングです。
ベンチや椅子を用意する必要がなく、立った状態で取り組めるというメリットがあります。
①ダンベルを握り、後ろ側を持つようにする
②肘は伸ばしたまま、ダンベルの先端を床に向けて構える
③手首の力だけを使い、ダンベルを持ち上げる
④限界まで上げたら、元の位置まで下ろす
✓ポイント
・腕や肩を動かさない
・ダンベルをしっかり下げる
・無理な重量を使わない
✓セットの組み方
15~20回を1セットとする
3~4セットを目安に行う
インターバルを1分ほどとる
徹底的に鍛えて逞しい腕を手に入れよう
今回は、腕の筋肉を効果的に鍛えられる筋トレメニューについて解説しました。
腕の筋肉は上腕二頭筋、上腕二頭筋、前腕筋群の3つの部位で構成されており、腕を太くするためには、上腕三頭筋を優先しながらバランスよく鍛えることがポイントです。
ダンベルやバーベル、マシン、自重など様々なトレーニングを組み合わせ、徹底的に追い込んで逞しく力強い腕を手に入れましょう。。
①肩幅よりも広い手幅でバーを逆手で握り、ぶら下がる
②肘を曲げて、顎がバーの上にくるまで体を持ち上げる
③肘を伸ばし、体を元の位置まで下ろす