バーベルスクワットは「キングオブエクササイズ」と呼ばれるほど、下半身を効果的に鍛えることができ、脚を発達させたり、運動能力の向上などが期待されています。
しかし、バーベルスクワットではかなりの高重量を扱うため、間違った方法で行うとフォームを崩して怪我をしたり、狙いたい筋肉に負荷がかからないなどの恐れがあります。
そこで今回は、バーベルスクワットの正しいやり方やポイント、種類などについて詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
バーベルスクワットで鍛えられる筋肉
まずは、バーベルスクワットで鍛えられる筋肉の特徴や働きについて紹介します。
大腿四頭筋
バーベルスクワットでは下半身の様々な筋肉が鍛えられますが、その中で最も鍛えられるのが大腿四頭筋という筋肉です。
大腿四頭筋は太ももの前面に位置しており、膝を伸ばしたり、太ももを持ち上げるなどの役割を担っています。
また、「ブレーキ筋」とも呼ばれており、走行中にスピードを減速させたり、ジャンプして着地をするときに身体を止めるなどの作用もあります。
大腿四頭筋は筋肉の力が強すぎて、単独で鍛えると膝や腰の痛みを引き起こす恐れがあるので、ハムストリングスや体幹の筋肉も同時に鍛えるようにしましょう。
ハムストリングス
ハムストリングスは太ももの裏側にある筋肉のことであり、膝を曲げたり、股関節を伸ばすといった働きがあります。
「ランナー筋」と呼ばれており、瞬間的に加速するときや地面を蹴り出して走るときなど、大きなパワーを生み出すのに欠かせない筋肉でもあります。
ハムストリングスが衰えると肉離れが起こりやすくなるので、下半身のトレーニングでハムストリングスをしっかり鍛えておくのがおすすめです。
大臀筋
お尻の筋肉は大臀筋、中臀筋、小臀筋で構成されており、お尻の表面を大きく覆っているのが大臀筋です。
単一筋としては人体の中で最大のサイズを誇っており、階段や坂道を登るときや、様々なスポーツの場面で使われています。
大臀筋を鍛えるとウエストの引き締めやヒップアップが期待できるので、女性にとっては嬉しい効果になるでしょう。
腰回りや腹筋、脊柱起立筋
バーベルスクワットは高重量のバーベルを安定させるために、下半身以外の筋肉も使われます。
身体を支える役目を果たしているのが腰回りや腹筋、脊柱起立筋などであり、これらの筋肉にも負荷がかかるので、バーベルスクワットは全身トレーニングと言っても過言ではありません。
トレーニングの時間が取れない方は、バーベルスクワットだけ取り組むというのもありです。
バーベルスクワットをすることで得られる効果
痩せやすくなる
人体には基礎代謝という仕組みがありますが、これは何もしなくても消費されるエネルギーのことです。
筋肉をつけて基礎代謝が上がると、その分カロリーが消費されるようになるので、太りにくく痩せやすい身体に変化します。
下半身は人体の筋肉のおよそ7割を占めており、太りにくい身体を手に入れたい方は、バーベルスクワットなどで下半身を鍛えるのが最適な方法です。
上半身が発達しやすくなる
バーベルスクワットをすると下半身の筋肉量が増えるだけでなく、上半身も発達しやすくなります。その理由として、
などが挙げられます。成長ホルモンは筋肉の促進作用があるので、分泌されるほど筋肉が大きくなりやすいです。
また、デッドリフトやベンチプレス、ショルダープレスなど、トレーニングの大半は下半身の筋肉を補助として使っています。
下半身が強くなると扱える重量も増えるので、それだけ筋肉への負荷も大きくなります。以上の理由から、バーベルスクワットで下半身を鍛えると、上半身が発達しやすくなります。
スポーツのパフォーマンスが向上する
下半身の筋肉は「瞬発力」や「ダッシュ」などの動作と深い関係があるため、バーベルスクワットをすることで、スポーツの能力が向上します。
実際に、野球やサッカー、ラグビー、テニスなど、あらゆる競技のアスリート選手がトレーニングメニューにスクワットを取り入れているので、バーベルスクワットが競技のレベルアップに繋がることは間違いないでしょう。
また、普段から下半身を鍛えておくと体が安定しやすくなるので、スポーツで起きやすい怪我を未然に防ぐこともできます。
バーベルスクワットの正しいやり方
ここではトレーニング動画を参考に、バーベルスクワットの手順やセットの組み方について解説します。
バーベルスクワットの動作の流れは以上になります。
1セット目はフォームの確認をしたり、筋肉や関節をしっかり動かすために、疲労が残らない程度にウォームアップします。
2~3セット目はかなり重い重量を使い、ターゲットとする筋肉に最大限の負荷をかけます。
インターバルは2分~3分ほどとり、呼吸を整えたり、水分補給などをして、次のセットに向けて筋肉を一時的に回復させましょう。
バーべスクワットの効果を高める5つのポイント
上半身は真っすぐ保つ
バーベルスクワットでは、常に上半身を真っすぐキープすることが大切です。
背中を丸めた状態で行うと、正確なフォームを保つことができないばかりか、腰や首に負担がかかって怪我のリスクが高まります。
下半身を効果的に鍛えるためにも、お腹にしっかりと力を入れて胸を張り、上半身を真っすぐ保つようにしましょう。
なるべく深くしゃがむ
バーベルスクワットでしゃがむ位置は、太ももと地面が平行になる位置が一般的だとされています。
しかし、スクワットの効果を最大限高めるためには、それよりも深い位置まで、具体的にはお尻の下部が膝より下にくる位置までしゃがみ込むのがベストです。
この位置までしゃがむメリットとして、以下のようなものがあります。
深い位置までしゃがむメリット
・ハムストリングスや大臀筋を総動員できる
・下半身をバランスよく鍛えられる
・腰の怪我の予防に繋がる
また、しゃがんだ際に膝がつま先よりも前に出ると膝を痛めると言われていますが、これには科学的根拠がありません。
人体の構造上、どうしてもつま先よりも膝が前に出てくるのは仕方ないことで、深くしゃがめる重量でスクワットを行いましょう。
なるべく素早くバーベルを上げる
しゃがんだ状態から起き上がるとき、ゆっくりバーベルを持ち上げようとすると、負荷が逃げてしまってトレーニング効果が半減します。
下半身の筋肉に負荷がかかっていることを意識しながら、なるべく素早い動作でバーベルを上げましょう。
ただし、初心者の方がいきなり素早く上げようとすると、腰にかなりの負担がかかるので、慣れてきたら徐々にスピードを上げていくのがおすすめです。
呼吸法を意識する
バーベルスクワット中の呼吸法は、「ウェイトを下ろすときに息を吸い、上げるときに息を吐く」ようにするのが一般的です。
しかし、高重量のスクワット中に呼吸をすると、腰回りの緊張がとれて腰が破壊される恐れがあります。
そのため、バーベルスクワットはレップごとに息を大きく吸い込み、息を止めて腹圧を高めた状態で行うのがベストです。
腹圧を高めることで重い重量から腰を守ってくれるだけでなく、腹筋にも力が入って腹筋も同時に鍛えることができます。
他の脚のトレーニング種目も行う
バーベルスクワットは下半身の筋肉を高負荷で満遍なく鍛えることができる最高のトレーニングですが、同じ種目だけを続けるのはおすすめしません。
同じトレーニングばかり続けていると、身体がその刺激に慣れてしまうので、筋肉がなかなか発達しにくくなります。
レッグプレスやダンベルランジ、ヒップスラストなど様々な種目を組み合わせて、常に新しい刺激を筋肉に与えることがトレーニングにおいて重要です。
バーベルスクワットのバリエーション種目3選
最後に、バーベルスクワットのバリエーション種目を3つ紹介します。通常のやり方に慣れてきたら、チャレンジしてみてください。
①ワイドスタンススクワット
ワイドスタンススクワットは両足を広く開いた状態で行うスクワットです。
通常のやり方よりも大腿四頭筋と内転筋(内もも)の可動域が広がり、より強い負荷をかけることができます。
✓ポイント
・背中を曲げない
・常に目線は正面に向ける
・肩にバーベルを固定して動かさない
✓セットの組み方
1セット目→中重量で20回以上行う
2~3セット目→8~12回で限界がくる重量で行う
インターバルを2分~3分ほどとる
②フロントスクワット
バーベルを乗せる位置は通常のやり方であれば肩甲骨の下部辺りですが、フロントスクワットでは体の前側になります。
重心が前になり、大腿四頭筋にかかる負荷がより大きくなるので、太もも前面を重点的に鍛えたい人におすすめです。
✓ポイント
・手の平でバーベルを支える
・なるべく深くしゃがむ
・通常よりも重量を落とす
✓セットの組み方
1セット目→中重量で20回以上行う
2~3セット目→8~12回で限界がくる重量で行う
インターバルを2分~3分ほどとる
③オーバーヘッドスクワット
オーバーヘッドスクワットはバーベルを頭上でキープした状態で、スクワットを行います。
バランスを保とうと全身の筋肉が使われるので、トレーニング効果は非常に高くなります。
✓ポイント
・バーベルの位置を下げない
・バーベルの軌道を一定に保つ
・お腹にしっかり力を入れる
✓セットの組み方
1セット目→中重量で20回以上行う
2~3セット目→8~12回で限界がくる重量で行う
インターバルを2分~3分ほどとる
バーベルクワットで強靭な下半身を手に入れよう
今回は、バーベルスクワットの正しいやり方やポイントについて詳しく解説しました。
「キングオブエクササイズ」とも呼ばれるバーベルスクワットは難易度が高い種目ですが、下半身を高負荷で鍛えることができ、効率よくボディメイクをしたい方には欠かせません。
バーベルスクワットだけでなく、他のトレーニングにも取り組んで、下半身を満遍なく鍛え上げましょう。
①肩幅よりも広い手幅でバーベルを握り、背中の肩甲骨の部分に乗せる
②両足は肩幅くらいに開き、バーベルの真下に足の土踏まずがくるようにする
③つま先は軽く外側に向けて、膝とつま先の方向を同じにする
④胸をしっかりと張り、太ももと地面が平行より下の位置になるまで腰を落とす
⑤つま先とお尻の力を使い、腰を前に突き出すイメージで立ち上がる