通常の筋トレは腕立て伏せやバックエクステンション、クランチなど、特定の筋肉を鍛えるトレーニングがほとんどです。
一方で、全身を鍛える筋トレは身体のあらゆる筋肉に一度に負荷をかけることができ、通常の筋トレよりも効率がよく、筋力も向上しやすいというメリットがあります。
今回は、そんな全身の筋肉を一度に鍛えられる筋トレや、全身を鍛えるメリットについて詳しく紹介します。
Contents
全身の筋肉を一度に鍛える4つのメリット
まずは、全身の筋肉を鍛えるメリットについて解説します。全身を鍛えるメリットは以下の4つです。
カロリー消費が大きい
基礎代謝のおよそ4分の1が筋肉を占めているため、鍛える筋肉が多いほど基礎代謝が向上します。
基礎代謝が向上すると消費されるカロリーも増大するため、全身の筋肉を鍛えるだけで、太りにくく痩せやすい身体を手に入れることが可能です。
全身を一度に鍛える筋トレは、通常の筋トレよりもトレーニング時間がかなり短く、トレーニングにあまり時間を割けないときにおすすめです。
筋力が向上しやすい
全身を鍛える筋トレは、特定の部位のみを鍛えるアイソレーション種目(単関節種目)よりも重い重量を扱えます。
高重量のウェイトを使って、全身の筋肉を連動させると爆発的な力が発揮されるため、全身の筋力を大幅に強化することができます。
各種スポーツ競技におけるパフォーマンス向上にも繋がるので、普段から運動をしている人は全身トレーニングにも取り組むのがよいでしょう。
効率性が高い
一つの種目だけで様々な筋肉を鍛えられるトレーニングは、特定の部位を鍛える筋トレよりも効率性が高いです。
例えば、スクワットでは大腿四頭筋、ハムストリングス、大臀筋、脊柱起立筋の4つの筋肉が主に鍛えられます。これを全身トレーニング以外の筋トレで鍛えようとすると、
という、最低でも4つの種目を行う必要があります。
全身トレーニングは一つの動作でも、様々な関節を巻き込んであらゆる筋肉に刺激が与えられるため、効率性が最も優れているとされています。
気軽に取り組める
特定の筋肉を鍛える種目では、基本的にダンベルやバーベルなどのフリーウェイト器具や、専用のマシンが必要になります。
一方で、全身を鍛えるトレーニングは専用の器具を使う必要がない種目も多く、自分の体重を負荷として取り組むこともできます。
畳2畳くらいのスペースを確保できれば自重の全身トレーニングができますが、より高強度で全身を鍛えたい場合は、より広いスペースを確保するか、ジムに通う必要があるでしょう。
【自重】全身の筋肉を鍛える筋トレ4選
ここからは、自分の体重を負荷として行う全身トレーニングを紹介します。
いきなりフリーウェイトに取り組むと怪我をする恐れがあるので、まずは自重で全身を鍛えるのがおすすめです。
①スパイダーマンプッシュアップ
スパイダーマンプッシュアップは腕立て伏せの応用編であり、片足を引き寄せることで、上半身に加えて下半身の筋肉も同時に鍛えることができます。
継続することで、全身の筋力やバランス能力、体幹などを強化することが期待できます。
✓ポイント
・胸ギリギリまで下ろす
・足を大きく動かす
・背中を反らさない
✓セットの組み方
10~15回を1セットとする
3~5セットを目安に行う
インターバルを30秒ほどとる
②スーパーマンプッシュアップ
スーパーマンプッシュアップは通常の腕立て伏せに、ジャンプ動作を加えたトレーニング種目です。
筋力アップや運動能力の向上に繋がりますが、かなり筋力が必要になるので、まずは基礎的な筋力をつけてから取り組むのがよいでしょう。
①両手を床につけて、肩幅よりも少し広い手幅をとる
②背中を一直線に伸ばし、腕立て伏せの姿勢になる
③肘を曲げて、胸が床にあたるギリギリまで下ろす
④上体を起こす反動で、両手と両足を地面から離し、スーパーマンのような姿勢になる
⑤すぐさま肘を曲げて、上体を下ろす
✓ポイント
・お腹に力をしっかり入れる
・なるべく大きな動きで行う
・無理をしない
✓セットの組み方
5~8回を1セットとする
2~3セットを目安に行う
インターバルを1分ほどとる
③バーピージャンプ
バーピージャンプは腕立て伏せ、クランチ、スクワット、ジャンプなど複数の動作が含まれるトレーニングであり、全身の筋肉を満遍なく鍛えることができます。
一定のテンポで行うことから、持久力アップや心肺機能の向上、脂肪燃焼などの効果も期待できます。
①両足を軽く開いて直立する
②スクワットをするようにしゃがみ、両手を地面につける
③少し飛び跳ねて、両足を後方に伸ばす
④腕立て伏せをするように肘を曲げて、上体を下ろす
⑤上体を起こすと同時に両足を戻し、その場で高くジャンプする
✓ポイント
・呼吸を止めない
・一定のテンポを保つ
・全身の筋肉をしっかり使う
✓セットの組み方
15~20回を1セットとする
3~5セットを目安に行う
インターバルを30秒ほどとる
④マウンテンクライマー
マウンテンクライマーは腕立て伏せの姿勢になり、両足を前方に左右交互に動かすトレーニングです。
簡単なフォームでありながら、腹直筋や腸腰筋、大臀筋などの筋肉に加えて、腕や肩の筋肉も鍛えることができます。
①両手を床につけて、肩幅よりも少し広めに手幅をとる
②背中を真っすぐキープして、腕立て伏せの姿勢を作る
③右足、左足と左右交互に足を入れ替えながら、前方に動かす
✓ポイント
・お尻の位置は動かさない
・上半身に重心を乗せる
・回数よりも時間を意識する
✓セットの組み方
15~20秒を1セットとする
3~5セットを目安に行う
インターバルを30秒ほどとる
【フリーウェイト】全身の筋肉を鍛える筋トレ4選
最後に、フリーウェイトで行う全身トレーニングを紹介します。どれも負荷が強いので、正確なフォームで丁寧に取り組みましょう。
⑤ターキッシュゲットアップ
ターキッシュゲットアップはダンベルやケトルベルなどのウェイトを握った状態で床から起き上がる特殊な全身トレーニングです。
ただ起き上がるという動作を繰り返すだけですが、意外にも負荷が強く、筋肉や体幹をより強化することができます。
①ダンベルを片手に握り、反対側の手は伸ばして、仰向けに寝転がる
②ダンベルを握った側の膝は曲げて立て、反対側の足は真っすぐ伸ばす
③反対の肘へ重心を移しながら、手と肘で踏ん張り、身体を押すように立ち上がる
④ダンベルは上げたまま、同じ動きで元の位置まで戻る
⑤反対側も同じように行い、左右で1セットとする
✓ポイント
・手首を反らさない
・腹筋に力を入れる
・目線はウェイトに向ける
✓セットの組み方
6~8回を1セットとする
2~3セットを目安に行う
インターバルを2~3分ほどとる
>>ターキッシュゲットアップのやり方や効果
⑥ファーマーズウォーク
ファーマーズウォークは重いウェイトを持って歩くことで、全身のあらゆる筋肉を鍛えることができます。
自宅で行う場合、水や土を入れたペットボトルや給水タンクでもウェイトの代用とできるので、試してみてください。
①両手にダンベルやケトルベルなどのウェイトを握る
②背中は真っすぐ伸ばし、目線は正面に向ける
③小刻みに速いスピードで歩き続ける
④一定の時間歩いたら、休憩をとる
✓ポイント
・なるべく長い距離を歩く
・腰を曲げない
・身体の軸をブラさない
✓セットの組み方
45~60秒を1セットとする
3~5セットを目安に行う
インターバルを1分ほどとる
⑦ダンベルスナッチ
ダンベルスナッチは全身の力を使って、ダンベルを一気に頭上に持ち上げる全身トレーニングです。
ある程度筋力が必要になりますが、筋力・瞬発力の向上やダイエット効果などが期待できます。
①ダンベルを片手に握り、両足は肩幅程度に開いて直立する
②膝を曲げて軽くしゃがみ、肩や腕、脚の筋肉を使ってダンベルを真上に持ち上げる
③ダンベルが顔の高さまできたら、手首を返し、肘を伸ばして頭上まで突き上げる
④肘を曲げて、肩の位置まで一度ダンベルを下ろし、元の位置まで戻す
⑤反対側も同じように行い、左右で1セットとする
✓ポイント
・真上にウェイトを持ち上げる
・ネガティブ動作も丁寧に行う
・重量は少しずつ増やす
✓セットの組み方
6~8回を1セットとする
2~3セットを目安に行う
インターバルを2~3分ほどとる
⑧ハイクリーン
ハイクリーンは床のバーベルを反動やジャンプ力を利用して、肩に担ぐまで持ち上げるトレーニングです。
初心者がいきなりやると怪我をするリスクが高いので、BIG3のベンチプレスやデッドリフト、スクワットなどである程度の筋力をつけた後に行うのがおすすめです。
①バーベルの前に直立して、腰幅よりも少し広く両足を広げる
②お尻を突き出すようにしゃがみ、バーベルを握る
③バーベルを膝付近まで上げたら、膝関節と股関節を一気に伸ばし、ジャンプをするように両足を地面から浮かせる
④両肘を前に突き出すように動かして、バーベルを肩に担ぐ
⑤膝を伸ばして、最後まで立ち上がる
✓ポイント
・体の近くでバーベルを動かす
・背中を丸めない
・体全体で一気にウェイトを持ち上げる
✓セットの組み方
4~6回を1セットとする
3~4セットを目安に行う
インターバルを3~5分ほどとる
全身トレーニングで力強い肉体を手に入れよう
今回は、全身の筋肉を一度に鍛える筋力トレーニングや、全身を鍛えるメリットについて解説しました。
全身を鍛えるトレーニングは様々な筋肉を同時に鍛えることができ、筋力や基礎代謝の向上などが期待されています。
トレーニング時間をなるべく短縮したい方や、実用的な肉体を手に入れたい方は、全身を鍛える筋トレに挑戦してみてください。
①両手を床につけて、手幅を肩幅程度に開ける
②つま先を立てて背中を真っすぐ伸ばし、腕立て伏せの姿勢になる
③上体を下ろすと同時に、片足を肘に向けて引き寄せる
④肘を伸ばすと同時に、足を元の位置まで戻し、上体を起こす
⑤反対側も同じように行う