普段からトレーニングをしている方でも、首をしっかり鍛えている人はほとんどいないでしょう。
しかし、首を鍛えると小顔効果や肩こり、頭痛の改善のみならず、スポーツや競技のパフォーマンスアップなどのメリットがあります。
今回は、首を効果的に鍛えられる筋トレメニューや首を鍛えるメリットなどについて詳しく解説していきます。
Contents
首の筋トレで鍛えられる筋肉
首のトレーニングでは、胸鎖乳突筋と僧帽筋という2つの筋肉が鍛えられます。それぞれの筋肉の特徴や性質について紹介します。
胸鎖乳突筋
胸鎖乳突筋は耳の後ろから鎖骨の内側にかけて縦に伸びており、首の前側を構成している筋肉です。
首を前後左右に曲げたり、回転させる動作で使われています。
胸鎖乳突筋は日常生活ではほとんど負荷がかからない部位であるので、鍛えたい場合はトレーニングで刺激を与える必要があります。
僧帽筋
僧帽筋は首から肩、背中の上部にかけて位置している筋肉であり、人体の中でも発揮する力が最も強いのが特徴です。
僧帽筋は上部・中部・下部の3つの部分に分かれていますが、首の筋肉を構成しているのは上部になります。
僧帽筋を鍛えると血行が促進されるため、肩こりや頭痛が和らぎます。また、僧帽筋をしっかり鍛えると
など数多くの効果があるので、僧帽筋のトレーニングを行うときは、上部・中部・下部をバランスよく鍛えることが大切です。
首の筋トレを行う3つのメリット
逞しい印象になる
胸鎖乳突筋や僧帽筋上部を鍛えると首が太くなるので、正面から見たときの印象がトレーニング前よりも逞しく見えるようになります。
Tシャツ一枚でもカッコよく着こなせるようになるので、首が細いと感じている方は首の筋トレも取り入れましょう。
女性の場合は、男性よりも筋肥大しにくいため、首が太くなることはほぼありません。逆に、顎から首にかけてのラインが引き締まるため、首が長く、相対的に顔が小さく見えるようになります。
また、首周りの血行が促進されると老廃物が取り除かれるため、顔や顎周りのむくみを防ぐことも期待されます。
スポーツのパフォーマンスが向上する
首を鍛えると首の安定性が高まり、体がブレにくくなります。
視界も安定するため、競技やスポーツにおいて一つ一つの動きに集中でき、より高いパフォーマンスを発揮できるようになります。
アメフトやラグビー、レスリング、格闘技などのコンタクトスポーツをしている方は、首を鍛えていると首への衝撃が緩和されるので、思わぬ怪我を予防することができます。
日常生活においては、バランスを崩したり、重い荷物を持つときに首が安定することで、動作が楽になり、体勢を安定させるのに役立つでしょう。
頭痛や肩こりが軽減する
首を鍛えることで、頭痛や肩こりを緩和できる効果もあります。
長時間同じ姿勢を続けていたり、首や肩をほとんど動かさない生活をしていると、首周辺の筋肉が凝り固まります。その結果、首に新鮮な栄養が行き届かなくなり、頭痛や肩こりといった症状を引き起こします。
首の筋トレを行うと、首周りの血行が促進されて体のコリが解消されるので、頭痛や肩こりを和らげることが可能です。
日頃から頭痛や肩こりに悩んでいたり、同じ姿勢が続きやすいデスクワークの方は、首のトレーニングに取り組んでみてください。
首の筋トレを行うときの注意点3選
他部位のトレーニング同様に、首の筋トレを行うときにも注意すべき点があります。
間違ったやり方で行うと首を痛める恐れがあるので、しっかりと確認しておきましょう。
トレーニング前にストレッチを行う
首のトレーニングを行う前は、必ず首をストレッチするようにしましょう。
首の筋肉はとても繊細であり、ストレッチなど何もしない状態で負荷をかけると、首をケガするリスクが高まります。
顎を上げて伸ばしたり、首を左右に捻ると胸鎖乳突筋を、顎を引いて首の後ろを伸ばすと僧帽筋上部がストレッチされるので、事前にストレッチをして首周りを十分に温めて行うことが大切です。
徐々に負荷を高める
首は日常生活ではあまり使われない部位なので、少し負荷をかけるだけでも十分に鍛えることができます。
最初から高重量で行うと怪我をする恐れもあるので、まずは道具は使用せずに、低回数の自重トレーニングから初めてみましょう。
慣れてきたらダンベルやバーベルなどのウェイトを扱い、少しずつ負荷を高めるのがおすすめです。
無理をしない
動作中に首に痛みを感じたら、無理をせずにすぐにトレーニングを中断しましょう。
筋トレ中はアドレナリンが分泌されており、普段よりも痛みが感じにくい状態ですが、痛みや違和感がある状態で続けると大きな怪我や慢性的な頭痛を引き起こす恐れがあります。
トレーニングに取り組めなくなるので、違和感があれば無理に行わず、ある程度日にちを空けて再開しましょう。
首を効果的に鍛える筋トレメニュー6選
ここからは、首を効果的に鍛えられる筋トレメニューを紹介します。ポイントも意識して、効率よく首を鍛えましょう。
①ネックフレクション
ネックフレクションは仰向けに寝転がった状態で、首から上の部分を起こすことで胸鎖乳突筋を鍛えることができます。
とてもシンプルな動作なので、初心者でも気軽に取り組めるメリットがあります。
✓ポイント
・床に頭をつけない
・首の力だけで行う
✓セットの組み方
20~30回を1セットとする
3~4セットを目安に行う
②ネックエクステンション
ネックエクステンションはネックフレクションとは逆の動作で、うつぶせの状態で頭を後ろに持ち上げることで、僧帽筋上部を鍛えることができます。
床で行うのがやりにくい場合は、ベットで首だけを出した状態で取り組んでみてください。
①ベットにうつ伏せになる
②首に力を入れて、顎を上げながら頭を浮かせる
③頭を持ち上げた状態で、1~2秒キープする
④ゆっくりと元の位置まで頭を下げる
✓ポイント
・上体を起こさない
・首の力で持ち上げる
✓セットの組み方
20~30回を1セットとする
3~4セットを目安に行う
③ネックラテラルフレクション
横向きの状態から頭を起こすことで胸鎖乳突筋を鍛えられるのが、ネックラテラルフレクションというトレーニングです。
ネックフレクションとネックラテラルフレクションを組み合わせることで、ほとんどの筋繊維を刺激できるでしょう。
①ベットに横向きに寝転がる
②首に力を入れて、上側の耳と肩をくっつけるように頭を起こす
③持ち上げた状態で1~2秒キープする
④ゆっくりと元の位置まで頭を下ろす
✓ポイント
・首の側面を支点にする
・真横に動かすようにイメージする
✓セットの組み方
20~30回を1セットとする
3~4セットを目安に行う
④レスラーブリッジ
レスラーブリッジは自重トレーニングながら、首周りの筋肉全体に強烈な刺激を与えることができるトレーニングです。
ただし、首と足裏で全体重を支えるため、怪我をしないように慎重に取り組みましょう。
①床に仰向けに寝転がり、膝を90度に曲げる
②頭頂部と足の裏だけで体を支えながら、腰を持ち上げる
③完全に持ち上げたら、1~2秒キープする
④腰を下ろして元の位置までゆっくり戻る
✓ポイント
・慣れたら両手を床から離す
・なるべく腰を高く上げる
✓セットの組み方
5~10回を1セットとする
2~3セットを目安に行う
⑤ダンベルシュラッグ
ダンベルシュラッグは僧帽筋を鍛える代表的なトレーニングです。
ダンベルを両手に握った状態で、肩をすくめることで僧帽筋上部をピンポイントで鍛えることができます。
①両手にダンベルを握り、肘は伸ばしたまま腕をだらんと下ろす
②両足は軽く開いて、顔は正面に向けておく
③肩を耳に近づけるように、肩をすくめてダンベルを持ち上げる
④ダンベルをできるだけ上げたら、一瞬静止する
⑤肩を下げて、元の位置までダンベルを戻す
✓ポイント
・背中を真っすぐ保つ
・顎を軽く引く
✓セットの組み方
1セット目→軽重量で30回以上行う
2~3セット目→15~20回で限界がくる重量で行う
インターバルを1分30秒~2分ほどとる
⑥バーベルシュラッグ
バーベルシュラッグは肩をすくめてバーベルを上下させることで、僧帽筋を高負荷で鍛えることができます。
左右均等に負荷をかけられるメリットがあるので、ダンベルシュラッグで負荷が偏ってしまう人におすすめです。
①肩幅よりも少し広い手幅でバーベルを握り、体の前で構える
②両足を軽く開いて、顔は正面に向けておく
③肩をすくめて、バーベルを真上に持ち上げる
④トップポジションで一瞬静止する
⑤肩を下げて、元の位置までバーベルを戻す
✓ポイント
・腕や足の力を使わない
・背中を丸めない
✓セットの組み方
1セット目→軽重量で30回以上行う
2~3セット目→10~15回で限界がくる重量で行う
インターバルを1分30秒~2分ほどとる
首をしっかり鍛えて逞しいシルエットを手に入れよう
今回は、首の筋肉を鍛える筋トレメニューや首を鍛えることで期待できる効果について解説しました。
首の筋トレを行うと、小顔効果や逞しい印象になるなど見た目がよくなったり、頭痛や肩こりが改善されるなど、日常生活を快適に遅れることが期待できます。
首のトレーニングを行う前はしっかりストレッチを行い、少しずつ負荷を高めながら首を上手に鍛えましょう。
①床に仰向けになり、膝を90度に曲げる
②両手を体の前で組み、後頭部を床から浮かせる
③首に力を入れて、顎を上げながら頭を持ち上げる
④持ち上げた状態で、1~2秒キープする
⑤後頭部が床につく直前までゆっくりと頭を戻す