腕立て伏せは筋力トレーニングの基本であり、胸や腕、体幹部など上半身の筋肉を総合的に鍛えることができます。
簡単にできるように思われがちですが、実際にやってみると意外とキツく、一回もできないという人も多いです。
そこで今回は、腕立て伏せができない原因やできるようになる方法について詳しく紹介します。
Contents
腕立て伏せができない4つの原因
まずは、腕立て伏せができない原因を紹介します。腕立て伏せができない原因は、主に4つあります。
筋力が足りない
腕立て伏せでは
の3つの筋肉をメインに使うので、これらの筋力が不足していると腕立て伏せをするのが難しくなります。
大胸筋・・・体を上下させるときに使われ、一番下に体を下ろすときは筋力を出しにくい関節角度になるので、深く腕立て伏せができない場合、大胸筋の筋力不足が考えられる。
上腕三頭筋・・・肘を伸ばすときに使われており、胸よりも腕が先に疲れてしまう場合は、上腕三頭筋の筋力不足が考えられる。
腹筋・・・体を一直線に保つ役割を果たしていますが、腹筋が弱いと腕立て伏せの姿勢を最後までキープするのが難しくなる。
このように、筋力が不足していると腕立て伏せの動作に影響を及ぼすので、筋力が弱いと感じている方は、まず基礎的な筋力を強化することから始めましょう。
体重が重すぎる
筋力不足と同様に、腕立て伏せができない原因として多いのが体重が重すぎることです。体重が重ければ、胸や腕などの筋力がより必要になるので、腕立て伏せの難易度が上がります。
また、体重が重いと下げた体を持ち上げるのが困難になり、回数が増えずに効果の薄いトレーニングとなるでしょう。
腕立て伏せを効果的に行うためには、筋力を増やすことも大切ですが、体が重い場合はダイエットで脂肪を燃焼させて、体重を落としましょう。
フォームが間違っている
ある程度筋力があり、体重もそこまで重くなくても、本来のフォームが間違っていれば、腕立て伏せは上手にできません。
腕立て伏せはお腹に力を入れて、体を真っすぐにキープした状態で行います。しかし、お尻が落ちて腰が曲がっていたり、肩に力を入れすぎていると、体を地面に近づけるのが難しくなります。
また、両手を置く位置や肘の曲げ方などが悪ければ、腕立て伏せがスムーズにできなくなります。
自分のフォームが正しいかどうか、鏡を見たり、友人や家族などに見てもらって確認してみてください。
手首の柔軟性がない
腕立て伏せは手首の関節を稼働させることで、体の上げ下げを行います。
そのため、手首の柔軟性がなければ体を深く下げることが難しくなり、手首を痛める恐れもあります。
手首が硬いと感じる方は、腕立て伏せの前やお風呂上りに手首のストレッチを行い、柔軟性を高めるように意識しましょう。
腕立て伏せの基本的なやり方
ここではトレーニング動画を参考に、腕立て伏せの手順やセットの組み方について解説します。
腕立て伏せの動作の流れは以上になります。
トレーニング中は正しいフォームで行い、ターゲットとする筋肉にしっかりと負荷をかけることが大切です。
インターバルでは呼吸を整えたり、水分補給などをして、次のセットに向けて筋肉を一時的に回復させましょう。
腕立て伏せで鍛えられる筋肉
大胸筋
腕立て伏せでメインに鍛えられるのが、左右の胸に位置している大胸筋です。
大胸筋は上半身の筋肉の中で最も強大であり、他の部位のトレーニングよりも成果が現れやすいという特徴があります。
男性ならば胸板を厚くでき、女性であればバストアップが期待できるので、男女ともに大胸筋のトレーニングが人気があります。以下の記事も参考にどうぞ。
上腕三頭筋
肩から肘にかけて位置しており、腕を伸ばしたときに浮き出てくるのが上腕三頭筋です。
腕の筋肉のおよそ3分の2を占めるほど大きいので、上腕三頭筋を鍛えると、腕を効率よく太くすることができます。
また、大胸筋や三角筋のトレーニングで補助として使われているので、トレーニングの効率アップにも繋がります。
三角筋
腕立て伏せでは、大胸筋や上腕三頭筋の他にも、肩関節を覆っている三角筋も同時に鍛えることができます。
三角筋は前部・中部・後部の3つで構成されていますが、腕立て伏せでは前部に最も負荷がかかります。
腕や肩を動かしたり、野球の投球やテニスのスイング動作などあらゆるスポーツの場面で使われるので、鍛えることでパフォーマンスの向上が期待できます。
腕立て伏せができるようになるトレーニング方法4選
最後に、腕立て伏せができるようになるトレーニングを4つ紹介します。腕立て伏せができないと悩んでいる方は、参考にしてみてください。
①膝つき腕立て伏せ
膝つき腕立て伏せは床に両膝をつけた状態で、腕立てを行うトレーニングです。
通常の腕立て伏せと動作はほとんど変わりませんが、負荷は軽くなるので、20回以上できるようになるまで続けてみてください。
①うつ伏せになり、膝の部分だけを床につける
②肩幅よりも少し広い手幅をとり、目線は斜め前に向ける
③肘を曲げて、胸が地面にあたる直前まで体を下ろす
④両手で地面を押しながら、上体を起こす
✓ポイント
・脇を開かない
・上体を深く下ろす
・背中を反らさない
✓セットの組み方
20~30回を1セットとする
3~5セットを目安に行う
インターバルを30秒ほどとる
②インクラインプッシュアップ
インクラインプッシュアップは両手をベンチや椅子などに置き、斜めの姿勢で行う腕立て伏せのことです。
直立した状態に近づくほど負荷が弱くなるので、少しずつ身体の角度を浅くしていくのがおすすめです。
①ベンチや椅子を用意に両手をつけ、肩幅よりも広い手幅をとる
②頭からかかとまでを一直線に保つ
③肘を曲げて、大胸筋がベンチに当たる直前まで体を下ろす
④肘を伸ばして、上体を起こす
✓ポイント
・肩甲骨を寄せる
・肘を伸ばしきらない
・腹筋に力を入れる
✓セットの組み方
15~20回を1セットとする
3~5セットを目安に行う
インターバルを30秒ほどとる
③リバースプッシュアップ
リバースプッシュアップは体の後ろに椅子やベンチを置いて、腕の力だけで上体を起こすトレーニングです。
上腕三頭筋や肩周りの筋肉を高負荷で鍛えることができるので、腕立て伏せがやりやすくなるでしょう。
①ベンチや椅子を用意して、その前に座るように腰を下げる
②両手をベンチの上に置き、手幅は肩幅よりも少し広げる
③顔は正面に向けて、両足前に伸ばしてかかとをつける
④肘を曲げて、上腕が地面と平行になるまで体を下ろす
⑤肘を伸ばして、上体を起こす
✓ポイント
・腕の力だけを使う
・姿勢を真っすぐ保つ
・ベンチからお尻を離さない
✓セットの組み方
15~20回を1セットとする
3~5セットを目安に行う
インターバルを30秒ほどとる
④プランク
プランクは代表的な体幹トレーニングであり、体幹部をしっかりと鍛えることで、腕立て伏せで姿勢が崩れにくくなります。
シンプルな動作ですが、つま先と前腕だけで体を支えるため、かなりキツく感じるでしょう。
①床にうつ伏せになり、前腕と肘、つま先をつける
②肩の真下に肘をおいて、前腕を前方に伸ばす
③つま先を立てて、体を持ち上げる
④腹筋に力を入れて、後頭部からかかとまでを一直線にキープする
✓ポイント
・お尻を浮かせない
・斜め前に視線を向ける
・腰を落とさない
✓セットの組み方
45~60秒を1セットとする
3~5セットを目安に行う
インターバルを30秒ほどとる
腕立て伏せを克服して上半身を強化しよう
今回は、腕立て伏せができない原因とそれを克服できるトレーニング方法を紹介しました。
腕立て伏せは誰もが一度は取り組んだことがあるでしょうが、筋力が不足していたり、体幹が弱いと動作に支障をきたす場合があります。
腕立て伏せが難しい方は、簡単なトレーニングで胸や腕、体幹の筋肉を鍛えて、基礎的な筋力をつけることから始めてみてください。
①うつ伏せになり、両手を床につける
②肩幅よりも拳二つ分両手を広げ、つま先は立てる
③お腹に力を入れて、頭からかかとまでを真っすぐ伸ばす
④肩甲骨を寄せた状態で、上体を下ろしていく
⑤胸が床に当たる直前まで下ろしたら、元の位置まで戻る